キャッチコピーは『”愛”よりも昔、”孤悲(こい)”のものがたり』。
鳴る神の少し響みてさし曇り・・・
万葉集(まんようしゅう) 第十一巻:2513
原文
雷神 小動 刺雲 雨零耶 君将留
作者
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より
よみ
鳴る神の、少し響(とよ)みて、さし曇り、雨も降らぬか、君を留(とど)めむ
意味
雷(かみなり)が少しばかり鳴って、曇ってきて、雨でも降らないかしら。あなたさまを引きとめたいの。
「あなたとまだいっしょにいたいから、雨でも降らないかしら」、と詠んだ歌ですね。これに対して、彼は次の歌「鳴る神の少し響みて降らずとも・・・」で返事をしています。
鳴る神の少し響みて降らずとも・・・
万葉集 第十一巻:2514:
「鳴る神の少し響みてさし曇り・・・」の返し歌
原文
雷神 小動 雖不零 吾将留 妹留者
作者
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より
よみ
鳴る神の、少し響(とよ)みて、降らずとも、我(わ)は留まらむ、妹(いも)し留(とど)めば
意味
雷(かみなり)が少しばかり鳴って雨が降るようなことがなくっても、私はとどまるよ、君が「いて欲しい」って言うのなら。
あなたとまだいっしょにいたいから雨でも降らないかしら、と詠んだ歌に対して、やさしい返事をしています。こんな歌のやりとり