に‐し‐て🔗⭐🔉振
に‐し‐て
〘連語〙
❶ 《体言・副詞などに付いて》物事が実現する時間・段階などを表す。また、手段・方法を表す。…で。
「一瞬━燃え尽きた」
「ローマは一日━成らず」
「煙はたちまち━部屋に満ちた」
語法動作表現を伴うことが多いが、状態表現を伴うこともある。「生まれながらにして体が丈夫だ」
表現最低限を表す語に付いて、程度を強調することが多い。
❷ 《体言や形容動詞の語幹に付いて》同類のことを並べ上げる。…であって同時に。…でありかつ。
「有能な政治家━よき母親である」
「勇敢━優しさもある」
❸ 《体言に付いて》逆接を表す。…であるのになお。…なのに。
「この年━まだ迷いがある」
「教師━このざまだ」
❹ 〔慣用句的に〕幸不幸・運不運の評価を前置きとして示す。…なことに。
「幸い━大事には至らなかった」
「不幸━病に倒れた」
◆格助詞「に」+「する」の連用形「し」+接続助詞「て」。
に‐し‐て‐から‐が🔗⭐🔉振
に‐し‐て‐から‐が
〘連語〙 肝心のそれからして、すでに問題を含んでいる意を表す。…でさえもが。…にして。
「リーダー━この始末だ」
◇連語「にして」+格助詞「から」+接続助詞「が」。
に‐し‐て‐は🔗⭐🔉振
に‐し‐て‐は
〘連語〙 (条件と結果の落差を問題にして)その割に、の意を表す。…(な)のに。
「都会━緑が多い」
「初めて━よくできた」
「あれだけ働いた━ボーナスが少なすぎる」
◇連語「にして」+副助詞「は」。
に‐し‐て‐も🔗⭐🔉振
に‐し‐て‐も
〘連語〙
❶ 《体言に付いて》それ以外の場合であっても同様である意を表す。
「息子━初めから学校が嫌いだったわけではない」
❷ 《体言、形容動詞の語幹、動詞・形容詞の終止形などに付いて》かりにそうであったとしても。
「たとえ冗談━許せない」
「忙しい━連絡くらいは入れてください」
❸ 《「A━B━」の形で》同類のものを並べ上げて、どちらの場合でも適合する意を表す。…にしろ…にしろ。…にせよ…にせよ。
「やる━やめる━私に知らせてくれ」
❹ 《疑問詞や疑問詞を伴う語に付いて》どの場合も例外なく。
「いずれ━早くしたほうがいい」
「何をする━初めが肝心だ」
「どこで暮らす━故郷は忘れない」
◆連語「にして」+副助詞「も」。
表現「にしろ」「にせよ」「にしたって」「にしたところで」「にしたところが」「にしてみても」などとも。
明鏡国語辞典に「にして」で始まるの検索結果 1-4。