敬語解説🔗🔉

敬語解説 本辞典の敬語の種類 本書では、敬語を以下の五つに分類して解説した。 1 尊敬語 2 謙譲語 3 丁重語 4 丁寧語 5 美化語 敬語の分類にはいくつかの説があり、これまで一般的には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の三分類が行われてきたが、本書では「敬語の指針」(平成19年2月文化審議会答申)を踏まえ、上の五分類を採用した。以下、それぞれの敬語のはたらきと本書における取り決めについて解説する。 1 尊敬語 尊敬語は、他人の動作・状態・ものごとについて、その人物を高めていう語である。尊敬語によって高めることができる人物(=他人)には、以下の三種類がある。 (1) 相手(話の聞き手や文章の読み手) 例:「(あなたは)東京にいらっしゃるそうですね」…図① (2) 相手側の人物 例:「(あなたの)お兄様は東京にいらっしゃるそうですね」 (3) 話題の中に出てくる人物 例:「A先生は東京にいらっしゃるそうですね」…図② 尊敬語には、「おっしゃる」「くださる」「読まれる」「来られる」など動作についてのもの、「お忙しい」「ご立派」など状態についてのもの、「お名前」「御社おんしゃ」「玉稿」「賢察」「高見」「御用」「(先生からの)お手紙」などものごとについてのものがある。 2 謙譲語 謙譲語は、自分(=話し手や文章の書き手)または自分側の人物から他人に向かう動作・ものごとについて、それが及ぶ人物を高めていう語である。謙譲語によって高めることができる人物(=他人)には、以下の三種類がある。 (1) 相手(話の聞き手や文章の読み手) 例:「明日、(あなたの)お宅に伺います」…図③ (2) 相手側の人物 例:「明日、(あなたの)お兄様のお宅に伺います」 (3) 話題の中に出てくる人物 例:「明日、A先生のお宅に伺います」…図④ 謙譲語には「申し上げる」「いただく」「お届けする」「ご案内する」など動作についてのもの、「(先生への)お手紙」「(皆さんへの)ご説明」などものごとについてのものがある。 3 丁重語 丁重語は、自分(=話し手や文章の書き手)または自分側の人物の動作・ものごとなどについて、相手(=話の聞き手や文章の読み手)に対して改まった気持ちを表す語である。丁重語によって敬意を示すことができる人物は、相手である(例:「明日、東京に参ります」…図⑤)。なお、「明日、(あなたの)お宅に参ります」(図⑥)など、相手と、動作・ものごとの及ぶ人物が同一人物である場合は、丁重語は事実上、2の謙譲語と同じように使うことができる(「明日、(あなたの)お宅に伺います」と同じ意味で使うことができる)が、敬意の度合いは2の謙譲語のほうが高くなる。 丁重語には「参る」「申す」「いたす」など動作についてのもの、「愚息」「拙著」「小社」などものごとについてのものがある。 動作についての丁重語は、現代語では一般的に丁寧語の「ます」をともなって使うことが多い(「参ります」「申しました」などとなる)。 なお、敬語を三つに分類する場合には、丁重語は2の謙譲語と合わせて「謙譲語」という。また、五分類では2の謙譲語を「謙譲語Ⅰ」、丁重語を「謙譲語Ⅱ」ということがある。 4 丁寧語 丁寧語は、「です」「ます」など、相手(=話の聞き手や文章の読み手)に対して丁寧に言う語である。相手への丁寧な気持ちを表す語であり、広くさまざまな内容について言うことができる(例:「電車が来ます」…図⑦、「桜は春の花です」)。また、丁重語は丁寧語「です」「ます」より改まった表現である。 5 美化語 美化語は、「お菓子」「お天気」「(色とりどりの)お手紙」など、接頭語の「お」や「ご」をつけてものごとを美しく上品にいう語である。使うことによって相手(=話の聞き手や文章の読み手)や話題の中の人物を高めることはないが、相手に対して品よく改まった感じを与える。 なお、敬語を三つに分類する場合には、美化語は4の丁寧語と合わせて「丁寧語」という。

明鏡国語辞典 ページ 6846 での敬語解説単語。