に‐し‐て
〘連語〙
❶ 《体言・副詞などに付いて》物事が実現する時間・段階などを表す。また、手段・方法を表す。…で。
「一瞬━燃え尽きた」
「ローマは一日━成らず」
「煙はたちまち━部屋に満ちた」
語法動作表現を伴うことが多いが、状態表現を伴うこともある。「生まれながらにして体が丈夫だ」
表現最低限を表す語に付いて、程度を強調することが多い。
❷ 《体言や形容動詞の語幹に付いて》同類のことを並べ上げる。…であって同時に。…でありかつ。
「有能な政治家━よき母親である」
「勇敢━優しさもある」
❸ 《体言に付いて》逆接を表す。…であるのになお。…なのに。
「この年━まだ迷いがある」
「教師━このざまだ」
❹ 〔慣用句的に〕幸不幸・運不運の評価を前置きとして示す。…なことに。
「幸い━大事には至らなかった」
「不幸━病に倒れた」
◆格助詞「に」+「する」の連用形「し」+接続助詞「て」。
明鏡国語辞典 ページ 4679 での【にして】単語。