させて‐いただ・く【させて頂く】
〘連語〙 「(Aに)させてもらう」の謙譲語。自分の行為について、Aに…させてもらうのだというとらえ方をし、さらに「いただく」と謙譲語を用いてAを高める言い方。Aの許可を得て行う場面や、Aの意向によって行うと見なせる関係の場合に使う。
「〔説明してご覧、と上司に言われ〕それでは、説明━・きます」
「(先生のご厚意によって)出席━・きます」
語法五段動詞を受けて使うときは、「意見を書かせていただく」のように、「…せていただく(五段動詞の未然形+助動詞「せる」)」の形になる。「せる」の意味をより明確に強く示そうとして、五段動詞の未然形に「させる」を付けた「読まさせていただきます」「あとでファックスを送らさせていただきます」などというのは、誤り。
表現
⑴ 人に配慮しながら、自分の一方的な行為や意向を伝えるのにも使われる。「僭越せんえつながら私がお供を━・きます」「しばらく考え━・きたい」
⑵ 大勢の聴衆や目上の人の前で、自分の意見を述べたり、会を取り仕切ったりするような場面でも使われる。「では、発表を━・きます」「閉会と━・きます」
注意
⑴ 許可を得なければならない相手がいない、またそのような相手が漠然としていて特定されない場合に使うのは、慇懃いんぎん無礼な表現となって不適切。「× 今日は感動させていただきました(○ 感動いたしました)」「〔自己紹介で〕× 俳優をさせていただいています(○ 俳優をしております)」
⑵ 「…ていただく」は、〈相手のことは考えず、自分の都合でそうする〉という含みを持つため、お願いの意を示す場合には「…ください」を使うほうが適切。「〔上司に向かって〕帰らせていただきます/帰らせてください」
明鏡国語辞典 ページ 2413 での【させて頂く】単語。