赤石岳
(あかいしだけ)
長野・静岡県境に沿って走る赤石山脈(南アルプス)の主峰の一つ。標高3120メートル。主稜{しゆりよう}をつくる岩石は中生代の砂岩で、凝灰岩を挟み赤石帯とよばれる。東側は静岡県大井川上流の渓谷になり、西側は長野県の天竜川支流遠山{とおやま}川と小渋{こしぶ}川の渓谷である。山容はみごとな高峰をなし、頂上からの展望が優れている。所々に赤色の珪岩{けいがん}が露出し、このため赤石の地名が生じたともいわれるが、実際は南麓{なんろく}に源を発する沢に、赤色の岩が露出しているところから赤石沢と名づけ、これから山名が生じた。山頂は緩やかな平坦{へいたん}地をなし、頂上には祠{ほこら}がある。また、東斜面には氷河によるカール状地形がある。山頂には小屋があるが、山が深く、登山には途中一泊しなければならないので登山者は少ない。登山口は、静岡県側の椹島{さわらじま}、伊那側の小渋温泉からが一般的である。 <小林寛義>
【地】5万分の1地形図「赤石岳」
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