オオハシ🔗⭐🔉振
オオハシ
(おおはし)
【漢】大嘴・巨嘴鳥
toucan
鳥綱キツツキ目オオハシ科に属する鳥の総称。この科Ramphastidaeの仲間は熱帯アメリカ特産で森林にすみ、まったくの樹上性で、約37種がある。嘴{くちばし}が非常に大きく、しかも大形種ほど体に比べて大きい。なかには全長の半分近くを占めるものさえある。全長30〜60センチで、小形種にはチュウハシ、コチュウハシなどの和名が与えられている。羽色は黒か緑を主体とし、赤、黄、橙{だいだい}、青、白など鮮やかな色の部分がある。キムネオオハシは顔から胸が黄色、ヒムネオオハシでは胸が赤い。一般に嘴も美しい色をしており、大部分の種は雌雄同色である。ルーズな小群をなして生活し、木の実を主食とするが、大形昆虫やトカゲも食べ、小鳥の卵や雛{ひな}もとる。高い木の洞やキツツキの古巣などに2〜4個の白い卵を産み、雌雄で抱卵、育雛{いくすう}する。オオオオハシRamphastos tocoは南アメリカ北東部産で全長60センチ。オレンジ色の嘴、白色の顔から胸、赤い下尾筒のほかは全身黒色である。 <浦本昌紀>
大橋乙羽🔗⭐🔉振
大橋乙羽
(おおはしおとわ)
(1869―1901)小説家、出版業者。旧姓渡部{わたなべ}。本名又太郎。山形県生まれ。文学を志して上京、硯友{けんゆう}社の同人となり、『露小袖{つゆこそで}』(1890)、『霜夜の虫』(1891)などを発表し文名をあげた。著作集『若菜籠{かご}』(1898)、『花鳥{かちよう}集』(1899)、政治小説『累卵之{るいらんの}東洋』(1898)などの著書がある。1894年(明治27)博文館主大橋佐平の娘と結婚、博文館の営業に力を尽くしたが、1900年(明治33)世界漫遊に出かけ、帰国後翌年病没した。紀行文家としても知られ、紀行文集に『千山万水』(1899)などがある。 <畑 実>
【本】『明治文学全集22 硯友社文学集』(1969・筑摩書房) ▽『明治文学全集94 明治紀行文学集』(1974・筑摩書房)
日本大百科 ページ 8621。