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マネー・ロンダリング🔗🔉

マネー・ロンダリング (まねーろんだりんぐ) money laundering 麻薬の違法取引や犯罪にからんで得た不正資金の出所や流れを、銀行口座を利用してわからなくしてしまうこと。汚れた金を「洗濯、洗浄」するという意味で資金洗浄ともいわれる。  1989年7月のフランスのアルシュ・サミットの経済宣言を受けて設立された政府間機関「金融活動作業部会」Financial Action Task Force(FATF、日本を含む26か国・地域および2国際機関で構成)は90年に資金洗浄対策として各国が取り組むべき「40の勧告」を策定、96年に改定した。資金洗浄罪の前提となる犯罪の範囲を広げることを義務化、不法収益の没収措置の採用、疑わしい取引の届出制度などの対策を規定している。98年3月には、バーミンガム・サミットで、マネー・ロンダリング情報の受理・分析・回付を行う単一の政府機関として「金融情報機関」Financial Intelligence Unit(FIU)の設置が合意された。  1998年9月にパリで開かれた会合では「日本の対策は有効ではない」との厳しい審査報告が採択された。日本では資金洗浄行為で処罰されるのは、麻薬取引で得た収益に限られ、すでに三十数か国で実施されている「疑わしい取引の届出制度」も形だけに終わっている点が問題視された。99年8月にはロシア系アメリカ人が米銀バンク・オブ・ニューヨークの本人名義の口座を通じ、IMF(国際通貨基金)の対ロシア融資資金の一部を含む大量の資金を洗浄していた疑惑が表面化している。これらの事態を受け、日本では99年8月に、マネー・ロンダリングなどを規制する組織的犯罪処罰・犯罪収益規制法が成立、金融監督庁に「特定金融情報室」Japan Financial Intelligence Office (JAFIO=日本版FIU)が設置され本格的取組みが始まった。  なお、海外企業誘致のため、企業に対して税制上の優遇措置を与える国(地域)をタックス・ヘイブンというが、各国ともマフィアなどによるマネー・ロンダリングを防止して、税収を確保するため、特定外国子会社の所得を親会社の所得と合算して課税する制度を導入するなど、タックス・ヘイブン利用の規制に努めている。→組織的犯罪処罰・犯罪収益規制法 →タックス・ヘイブン <長澤孝昭> 【URL】[金融監督庁 特定金融情報室] http://www.fsa.go.jp/fiu/fiu.html

日本大百科 ページ 69775