ナンヨウチヌ🔗⭐🔉振
ナンヨウチヌ
(なんようちぬ)
【漢】南洋茅渟
【学】Acanthopagrus berda
硬骨魚綱スズキ目タイ科ヘダイ亜科に属する海水魚。台湾、東南アジアからオーストラリア、インド、紅海を経てアフリカ北東部の沿岸に広く分布するが、日本では沖縄県の西表{いりおもて}島だけから知られている。キチヌに似るが、体高が高く、腹びれと臀{しり}びれが暗灰色である点が異なる。胸びれはやや長く、眼前部の外郭は急峻{きゆうしゆん}である。背びれ棘条{きよくじよう}部中央下の上方横列鱗{りん}数は四枚。両顎{りようがく}の臼歯{きゆうし}は三列以上。全長約50センチ。河口域や沿岸の内湾域に多く生息する。東南アジアでは重要な食用魚であるが、漁獲はあまり多くない。 <赤崎正人>
ナンヨウハギ🔗⭐🔉振
ナンヨウハギ
(なんようはぎ)
【漢】南洋剥
【学】Paracanthurus hepatus
wedge-tailed blue tang
硬骨魚綱スズキ目ニザダイ科に属する海水魚。南西諸島以南の太平洋、インド洋に分布。体は楕円{だえん}形で側扁{そくへん}し、全長30センチに達する。青色の地に黒い線と黄色の尾で近縁種と容易に区別される。幼魚は造礁サンゴの樹間で生活し、成魚は群泳するが夜間はイボハナヤサイサンゴなどの間隙{かんげき}に入って眠る。美麗な体色から観賞魚として人気があるが、藻食性なので長期の飼育はむずかしい。この科の魚は、いずれも尾柄{びへい}に鋭い棘{とげ}を備えているので、取扱いには注意が必要である。 <井田 斉>
日本大百科 ページ 47826。