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板ガラス🔗🔉

板ガラス (いたがらす) flat glass 均一な厚みの板状につくられたガラス製品の総称。着色したもの、表面コーティングをしたもの、曲面のもの、凹凸の模様のあるもの、二枚以上重ねたもの、強化処理したものなど多くの種類があり、建築物や交通機関の窓、ドアや間仕切り、ショーケース、温室、鏡などに広く使われている。組成的にはソーダ石灰ガラスの一種。 【製法】 現在では主としてフロート法によって製造されている。原料は珪砂{けいさ}、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)、石灰石、苦灰{くかい}石、長石、ボウ硝(硫酸ナトリウム)等で、これにカレット(ガラス屑{くず})を混ぜたものを容量1000トン以上の溶融炉で連続的に1500度C以上の高温で溶かして均質な融液とし、流出するものを溶融金属をたたえたフロートバスに導き、表面にリボン状に浮かべながら連続的に徐冷炉へ引き出し、切断して板ガラスとする。溶融金属には融点の低いスズを主として用い、この表面に浮かぶ半融状態のガラスリボンは、引かれて徐冷炉に達するまでに高い平滑度と平面性をもつようになるので、研摩することなしに高級な鏡にも利用できる。網(線)入りガラスは、溶融炉から流出した融液を一対のローラーで板状に成形するとき、同時に金属網(線)を挿入して連続的に製造し、また一対のうち片方に模様を刻んだローラーを使えば型板ガラスができる。ローラーに触れたガラス表面の平滑度は悪いので、必要に応じ研摩して製品とする。 【種類・用途】 もっとも多く使われるのは無地の板ガラスで、3ミリメートルから19ミリメートルの厚さのものが生産されているが、近い将来、もっと薄いものも厚いものも出現することが予想されている。ごく少量だが1〜2ミリメートルの薄板ガラスを供給するために、フルコール法(垂直板引き法の一種)が残されているが、平滑度、平面性ともにフロート法に及ばない。網(線)入り板ガラスは割れてもたやすくは崩れ落ちず、防火性があり、また防犯、対震上有利なので、ビルディングなどに用途が広い。複層ガラスとは、二枚以上の板ガラスを薄い空気層を挟んで密封したもので、断熱的効果があるため寒冷地の建築用、省エネルギーの目的などに適しており、また遮音効果も高い。溝型ガラスはプロフィリットともよばれ、浅いコの字型の柱状で、これをかみ合わせて採光式の壁面とする。溶融ガラスをローラーで成形するので半透明であり、線入りのものも生産されている。色焼き付けガラスはセラミック顔料を片面に塗布して焼き付けたもので、着色の種類が多く、室内装飾に用いられる。また、導電性ガラスは、ガラス表面に透明な導電性薄膜を焼き付ける、合わせガラスの中間層に細い発熱線を埋め込む、ガラス表面に導電性物質を線状に焼き付ける、などの加工によって通電発熱の機能をもたせたもので、結露、氷結などの防止用として建築物、交通機関に利用されている。以前は大部分の鏡には厚板ガラスを研摩して用いたが、現在はフロート法による板ガラスをそのまま利用し、これに銀めっき、その上に保護のため銅めっきを施して鏡面にしている。これらのほか、板ガラスの表面にサンドブラスト法や腐食性酸などで模様を刻みつける加工ガラスもある。→ガラス →ソーダ石灰ガラス <境野照雄>

日本大百科 ページ 3962