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大門🔗🔉

大門 (だいもん) 敷地や廓{くるわ}の境界に建てられる門。仏寺では南大門、東大門などと、建つ位置の方位を冠してよぶ。一般に正面入口の門を大門とよぶことが多い。大門には二重門、楼門、八脚{はつきやく}門、四脚{しきやく}門などがあり、形式はとくに定まっていない。仏寺の大門には、その両側に祀{まつ}られる尊像によって、仁王{におう}門(二王門)、二天門などの名のあるものもある。古代の宮城にあっては朝堂の南門を大門とも称した。また、近世では遊廓{ゆうかく}の入口の門は大門{おおもん}の名でよばれている。 <工藤圭章>

大門(町)🔗🔉

大門(町) (だいもん) 富山県西部、射水{いみず}郡にある町。1889年(明治22)町制施行。1954年(昭和29)水戸田{みとだ}、櫛田{くしだ}、浅井、二口{ふたくち}の四村と合併。庄{しょう}川右岸と支流和田川合流点付近の平野部と丘陵性山地からなる。JR北陸本線が通じる。1654年(承応3)の町立て以来北陸本街道の宿場町として発達した。庄川右岸の湧水{ゆうすい}地帯の広上{ひろかみ}地区にマスの養殖場があり、北部の大島町にまたがって東洋紡績大門工場が立地する。南部の丘陵地の水戸田には瓦{かわら}工場があり、ブドウなどの果樹園も分布する。国の史跡に縄文時代の串田{くした}新遺跡がある。人口1万2284。 <深井三郎> 【地】2万5000分の1地形図「高岡」 【本】『大門町史』(1981・大門町)

大紋🔗🔉

大紋 (だいもん) 武家の衣服の一種。大紋の直垂{ひたたれ}の略。大きな紋様を要所につけた直垂のこと。上下対{つい}とした直垂と袴{はかま}のほつれやすい箇所に、補強と装飾を兼ねて、菊綴{きくとじ}といって組紐{くみひも}を綴じ付けたが、室町時代、ここに好みの紋様を刺しゅうしたり、染めたりするようになった。この位置は、直垂の背、前面袖付{そでつけ}、後面奥袖と端袖の縫い目、袴の両膝{ひざ}の上、股立{ももだち}である。直垂の両胸に組紐をつけて胸紐とし、はだけるのを防ぎ、袖口をすぼめるための括{くく}り紐は形式化して、下に垂らす部分のみ露{つゆ}と称してつけた。大紋が礼服化するとともに、その構成は折烏帽子{おりえぼし}、大紋、大帷{おおかたびら}、下袴、扇と定められた。江戸時代には、五位の武士で諸太夫以上の者の礼服として、麻布地に家紋を染め抜くものとなり、袴は長袴形式とされた。その構成は風折{かざおり}烏帽子、大紋、熨斗目{のしめ}小袖(夏は白帷{しろかたびら})、扇とした。後世のいわゆる紋付の淵源{えんげん}は大紋に求められる。 <高田倭男>

日本大百科 ページ 38565