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セキレイ🔗🔉

セキレイ (せきれい) 【漢】鶺鴒 wagtail 広義には鳥綱スズメ目セキレイ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちのセキレイ属、イワミセキレイ属の鳥をさす。セキレイ科Motacillidaeにはセキレイ属Motacilla、イワミセキレイ属Dendronanthusのほか、マキバドリモドキ属Tmetothylacus、キムネタヒバリ属Macronyxi、タヒバリ属Anthusなど5属54種がいる。全世界に広く分布し、多くは畑地や開けた草地、疎林や水辺にすみ、おもに昆虫を食べる。全長は約12〜22センチ、すんなりした体つきで、色はじみなものが多い。  イワミセキレイ属は1属1種。イワミセキレイD. indicusはウスリー地方、朝鮮半島、中国北部、インド北部などで繁殖し、冬季はインド南部、インドシナ半島、マレーシアなどで普通にみられ、少数はスンダ列島に渡る。日本では比較的少ない夏鳥として本州、九州、琉球{りゆうきゆう}諸島などから記録されており、山陰、九州北部では営巣の記録がある。セキレイ属と異なり、尾羽を左右に振って回転させる習性があり、ヨコフリセキレイともよばれる。  セキレイ属には10種の鳥がいて、そのほとんどが尾羽を上下に振る習性があるのでイシタタキ(石叩き)ともよばれる。日本でみられるセキレイ属は次のとおりである。  キセキレイM. cinereaは広くユーラシアの中部一帯で繁殖し、冬季は遠くアフリカ、インド、インドシナ半島、フィリピン、インドネシア、ニューギニア島などにも渡る種である。セグロセキレイM. grandisは日本列島でのみ繁殖する種で、寒冷地のものには冬季に温暖地へ移動するものもいるが、南限は北部琉球諸島までである。ハクセキレイM. albaは南アメリカを除く地球上に広く分布し、12亜種に分類される。日本で記録されているのは、ハクセキレイ、ホオジロハクセキレイ、タイワンハクセキレイの三亜種である。このうち、ハクセキレイは北方に分布するが、その営巣地はしだいに南下し、逆にホオジロハクセキレイは南方に分布するが、営巣地は北上の傾向にある。また、その中間に分布するセグロセキレイを、種のハクセキレイの日本列島型亜種とする学者もいる。ツメナガセキレイM. flavaの分布も広く、中央・南アメリカを除く全世界に分布し、18亜種に分類される。日本にはマミジロツメナガセキレイ、シベリアツメナガセキレイ、キタツメナガセキレイ、キマユツメナガセキレイの四亜種が記録され、キマユツメナガセキレイは北海道で繁殖の例がある。 <坂根 干>

日本大百科 ページ 35806