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少糖🔗🔉

少糖 (しょうとう) oligosaccharide オリゴ糖、寡糖ともいい、単糖が2個から10個程度まで結合した大きさの糖の総称。構成単糖の分子数により二糖、三糖、四糖などに分かれる。天然に遊離の形で存在するほか、多糖を化学的または酵素的に加水分解して得られる。溶解性などの化学的性質は一般に単糖に類似し、多糖とは異なる。  同一単糖よりなるホモ少糖と、2種以上の単糖よりなるヘテロ少糖に大別できる。天然のホモ少糖にはトレハロース、マルトース、ヘテロ少糖にはショ糖(サッカロース)、乳糖(ラクトース)、ラフィノースなどがある。多糖の加水分解では、種々の大きさと組成のものが得られる。たとえば、アミロースの酸限定分解で二糖から七糖までの少糖が得られ、ヒアルロン酸の酵素分解では二糖のグルクロン酸‐アセチルグルコサミンが得られる。結合様式から遊離還元基の有無で還元性少糖と非還元性少糖に分けることもあり、天然の少糖には非還元性のものが多い。  糖タンパク質や糖脂質に含まれる糖鎖部分は少糖であることが多く、この場合、グルコースやガラクトースのほか、マンノース、フコース、キシロース、ノイラミン酸など各種の単糖が含まれる。 <池田加代子>

日本大百科 ページ 31286