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刺股🔗🔉

刺股 (さすまた) おもに江戸時代に、罪人を逮捕するために用いた長柄{ながえ}の寄道具{よりどうぐ}と称された武器の一種。『文明{ぶんめい}本節用集』や『日葡{につぽ}辞書』にもその名がみえ、室町時代に始まる武器。捻{ひね}り琴柱{ことじ}とか琴柱棒ともよばれた。近世以降は、刑事にかかわる武器として、捕物の三つ道具、番所の三つ道具と称し、突棒{つくぼう}、袖搦{そでがらみ}とともに、検断の役所に常備された。長さ2.25メートル(七尺五寸)ほどの柄に雁股{かりまた}状の鉄を取り付けて、相手の首を押さえるものである。刑吏の威武の道具として見附{みつけ}番所、辻{つじ}番所にも立てられていた。首金{くびかね}ともいう。→突棒 →袖搦 <齋藤愼一>

サスライアリ🔗🔉

サスライアリ (さすらいあり) 【漢】流離蟻 driver ant 昆虫綱膜翅{まくし}目アリ科サスライアリ属Dorylusの昆虫。アフリカやインドなどの熱帯地方に生息する。働きアリの数が約2000万匹に達する巨大なコロニーをつくるものもある。定まった巣をつくらず、働きアリ自身が覆いとなって、内部に女王や幼虫などを保護する。食物を求め、隊列を組んで広大な地域を移動する。このアリの通る所は、無脊椎{むせきつい}動物だけでなく、ときには小形の脊椎動物でさえも襲われて食い尽くされてしまう。なお、同様の習性をもつアメリカ大陸のグンタイアリは、分類学上は別の亜科であるグンタイアリ亜科に入れられている。→アリ <山内克典>

日本大百科 ページ 25712