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チェコ語🔗🔉

チェコ語 (ちぇこご) チェコ語Czechはチェコの公用語であり、国内(おもにボヘミア、モラビア)で約1000万(約67%)の人々によって話され、国外(アメリカ合衆国、カナダなど)でも約100万の人々がこの言語を用いている。チェック語ともいう。言語系統上インド・ヨーロッパ語族スラブ語派に属し、スロバキア語、ポーランド語などとともにその西のグループを形成している。なかでも、スロバキア語とは非常に近い関係にある。方言の点では、チェコ方言(ボヘミア、モラビア西部の一部)、中部モラビア方言(モラビアの大部分)、東モラビア方言(モラビア東部)、シレジア方言(モラビア北東部、シレジア)の四つのグループに大きく分けられる。チェコ文語はそのうちチェコ方言内の中央方言(プラハを中心とする地域)に基づいて成立した。チェコ語はラテン文字を用い、補助符号の助けで一音一文字が原則である(a[a]―?[a:]、z[z]―?[?])。音の面では、母音に長短の区別があることや、アクセントがつねに語の第一音節に置かれることなどが特徴である。類型論的には他のスラブ諸語と同様、屈折的なタイプに属し、多様な語形変化を行う。たとえば名詞は文法性(男・女・中)をもち、二つの数、七つの格に応じて語尾変化する。人や動物を表すか否かにより、男性名詞にはさらに活動体・不活動体の区別がある。動詞も人称と数に応じて変化し、一つの動作を表す際、その動作を完了の点でみるか否かにより、完了体動詞と不完了体動詞が使い分けられる。残されているもっとも古いチェコ語文献は13世紀末のものである。それ以前、9世紀後半から大モラビア公国では、南スラブ系の言語を基礎にする古代スラブ語により聖書などのスラブ語訳や典礼が行われていた。やがて、この言語は、その役割をラテン語にとってかわられてしまったが、文章語としてのチェコ語の発達を促進した。14世紀には、高レベルの作品がチェコ語で書かれるまでになった。→スロバキア語 <山本富啓>

日本大百科 ページ 40269 でのチェコ語単語。