第三身分🔗⭐🔉振
第三身分
(だいさんみぶん)
Tiers ?tat フランス語
僧侶{そうりよ}と貴族身分に属さない平民身分をさす。前二者は種々の身分的特権と栄誉を享受するが、第三身分は固有の身分特権をもたない。中世キリスト教世界では、祈るものoratores=僧侶、戦うものbellatores=貴族、働くものlaboratores=平民の身分的区分があった。働くものである第三身分は、裁判および財務官僚や、都市市政官から各種商人・職人に至る、いくつもの社会的・職域的階層、団体を含んでいる。政治的には、第三身分代議員が全国的ないし地方的な身分制議会に参席した。
フランスでは、14世紀の全国三部会における第三身分は、特権都市の市政官や法曹家、大商人であり、1614年の場合、官僚特権をもつ法官が大多数を占めた。彼らは第三身分のうちでも勢力と資産をもつものであった。フランス革命時、1789年の全国三部会では、法曹家と商人、工業資本家など、資産家としてのブルジョアが第三身分を独占、革命推進の主体となり、ついに身分制を解体させた。→アンシャン・レジーム <千葉治男>
日本大百科 ページ 38062 での【第三身分】単語。