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石英🔗🔉

石英 (せきえい) 重要な造岩鉱物の一種。長石類に次いで産出量が多い。石英には高温型と低温型がある。前者は高温石英high-quartzまたはbeta-quartzとよばれ、一気圧では573から870度Cで安定である。六方晶系に属し、柱面がほとんどなく、等価な六つの錐{すい}面からなる両錐状結晶として産することが多い。おもに流紋岩、石英斑{はん}岩など高温でできた酸性火山岩中にみられる。しかし高温石英も常温常圧に置かれると、外形のみそのままで、結晶構造は低温型に転移する。この転移は、高温型と低温型の結晶構造にわずかな違いしかないので容易におこる。したがって現在われわれが手にとってみる石英は鉱物学的にはすべて低温型のものである。低温型は低温石英low-quartzまたはalpha-quartzとよぶ。三方晶系に属するため、6個の錐面は等価でなく、2種類の錐面が一つ置きに並ぶ。また普通、柱面が長く伸びている。結晶形の明らかなものを水晶とよぶ。普通、塊状ないし粒状で、花崗{かこう}岩、流紋岩など酸性火成岩、片麻岩、石英片岩など広域変成岩、砂岩など堆積{たいせき}岩、それらを切る脈と産状は広範囲に及ぶ。色は普通は無色であるが、種々着色したものや異種鉱物を含有するものにいろいろな名称がつけられている。玉髄、めのう、碧玉{へきぎよく}、虎目石{とらめいし}、血石{けつせき}、アベンチュリン、クリソプレースなどのほか、紅、紫、青、黄、黒、煙、鉄などの冠詞をつけてよぶ。鉄石英は微細な赤鉄鉱や針鉄鉱が分散して赤色もしくは黄褐色にみえる。  石英はガラス原料をはじめ各種窯業原料として重要である。また上質のものは装飾品としたり、物性を利用したりすることも多い。石英の多形としては、鱗珪{りんけい}石、クリストバル石、コース石、スティショバイトがある。コーツの英名の由来はあまり明瞭{めいりよう}にわかっていないが、一説にはサクソン語のquerklufterzからきているとされている。このことばは16世紀の初期に鉱山で使われていたもので、金属鉱物が濃集している部分にある交差した石英脈を意味したらしい。ほかに古代スラブ語説、古代高地ゲルマン語説などがある。→水晶 <松原 聰>

日本大百科 ページ 35612 での石英単語。