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石芋🔗🔉

石芋 (いしいも) 自然伝説の一つ。「食わず芋」「大師芋」ともいう。固くて食べられない芋の由来を説明する伝説。ある高僧(その半数以上が弘法{こうぼう}大師)の巡錫{じゆんしやく}の途中に、空腹のために芋を所望し、もらえなかったため(恵まれたため)に、その地の芋(ほかの救荒食物も同じ)は煮ても焼いても食べられない(不自由することがない)、という型は、全国に共通している。芋のかわりに蕨{わらび}、菜などがあるほかに、杖{つえ}を挿して根づかせて二度三度実らす(たとえば、弘法栗{ぐり}、三度栗、不喰梨{くわずなし}、半渋柿、弘法柿、石胡桃{くるみ}、莢{さや}ばかりの大豆など)も型は同じ。またこの型は、弘法が水をもらえなかった(恵まれた)ために罰があたって(恩恵によって)泉がない(よい水が湧{わ}く)、という弘法清水{しみず}と同型である。親切な村人と意地悪なそれとの結果の対比は、昔話「隣の爺{じい}」型と同じで、勧善懲悪を説く文芸的意匠が、異郷人歓待の信仰を変化せしめたものである。救荒食物や自然湧出{ゆうしゅつ}水の恩恵者として弘法がもっとも幅をきかしているのは、中世中末期以降に弘法をかたって全国を歩いた高野聖{こうやひじり}の影響や、それに伴う大師信仰の習俗によるものである。 <渡邊昭五>

日本大百科 ページ 3530 での石芋単語。