清算
(せいさん)
会社その他の法人が解散によって本来の活動を停止したのち、その法律関係の後始末のためになされる手続。会社の場合に清算手続が行われるのは、合併または破産以外の原因で解散したときである。その手続は清算会社として行われ、それは従前の会社と同一の法人格を有するが、清算の目的の範囲内においてのみ存在するにすぎない。清算の方法には任意清算と法定清算とがあり、後者はさらに通常清算と特別清算に分かれる。任意清算は人的会社(合名・合資会社)だけに認められ(商法117条・147条)、法定清算はすべての会社に認められる。物的会社(株式・有限会社)では法定清算だけが認められ(商法417条以下、有限会社法72条以下)、そのうち特別清算は株式会社だけしか認められていない(商法431条以下)。法定清算は清算人によってなされ、清算事務の内容は、現務を結了したうえ、債権の取り立て、各種財産の換価、債務の弁済、残余財産の分配などである(通常清算)。特別清算は、株式会社の清算の遂行に著しい支障をきたすような事情があるか、債務超過の疑いがあるときに、裁判所の命令によって開始される清算手続である。いずれにしても清算が結了し、その登記によって会社は消滅する。公益法人の場合には通常、理事が清算人となり、清算事務を遂行し、清算が結了すれば届出をして法人は消滅する。 <戸田修三>
日本大百科 ページ 34997 での【清算】単語。