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摺仏🔗🔉

摺仏 (すりぼとけ) 仏教版画の一種で、仏{ぶつ}、菩薩{ぼさつ}、明王{みようおう}、諸天などの像を板に彫り、墨や朱をつけ、紙や絹に摺り写したもの。「しゅうぶつ」とも読み、印仏という場合もある。古くインドで行われており、泥像を紙や布に印したものらしい。摺仏は中国でも唐代から流行し、敦煌{とんこう}や西域{せいいき}に遺品がみられる。日本では平安時代から行われ、単純な木版技法により、彩色もないのが普通である。一体だけを描いたり、数体を彫った群像もあるが、あまり大型の本格的な版は摺仏とはいわない。仏像の胎内などに納め、多くの結縁{けちえん}者や祈願を示すため、まとめて納入することが多い。摺仏は版の上に紙を当てて摺り、印仏はスタンプ式に押すものともいうが、どちらともいえないものもあり、古く平安時代などには区別がなかったようなので、印仏も摺仏の一部といえよう。 <佐藤昭夫>

日本大百科 ページ 34719 での摺仏単語。