キリル文字🔗⭐🔉振
キリル文字
(きりるもじ)
Kirillitsa
古代ブルガリア語(古代教会スラブ語)の表記に用いられた文字。紀元後9世紀、サロニカ(ギリシア)の伝道僧キリロス(別名コンスタンティノス)とメトディオスの兄弟が、ギリシア正教の布教のためにギリシア語の福音{ふくいん}書をこの言語に翻訳したが、その際キリロスがギリシア字母の大文字の形に基づいてつくったといわれる。すこし古い形としてギリシア字母の小文字に基づくグラゴル文字がある。キリル文字では、当時のギリシア字母の音価を反映して、たとえばBは[v]、?(ギリシア字母のHから)は[i]を表す。現在、ロシア語、ブルガリア語、セルビア語、マケドニア語などのスラブ諸語で用いられている。→ロシア語 <長嶋善郎>
日本大百科 ページ 17308 での【キリル文字】単語。