が【蛾】
鱗翅目の昆虫のうち、チョウ類を除いたものの総称。形、大きさなどチョウによく似るが、ふつう体が太く、鱗片が密生し、はねは比較的狭く、一部のものを除き、はねを広げたまま止まり、夜間に活動するなどの点で区別される。色は一般に地味で、触角はくし状、羽毛状、葉状などある。卵、幼虫、さなぎ、成虫と完全変態し、幼虫はイモムシかケムシ形。カイコによる生糸、ヤママユガによる天蚕糸(てぐす)の生産など益虫もいるが、作物の葉を食害するものが多い。メイガ、シャクガ、ドクガ、ミノガなど日本では約五〇〇〇種知られる。《季・夏》
が‐び【蛾眉・娥眉】
1 蛾の眉(触角)のように三日月形にすんなり曲がった、女の美しい眉。
2 転じて、美人。
3 三日月。眉月。とくに俳諧では、陰暦八月三日の月。《季・秋》
が‐りん【蛾輪】
蚕の蛾に産卵させるのに用いるブリキ製の輪切り状の器具。交尾後の雌の蛾を一匹ずつ台紙にのせ、その上にかぶせて産卵させる。
ひいる【蛾】(ひひる)
(「ひいる(沖)」と同源かという)昆虫の蛾(が)の総称。後には、特に蚕の蛹(さなぎ)の羽化した、蚕蛾(かいこが)をいう場合が多い。*霊異記‐下・一八(真福寺本訓釈)「愚人の貪る所は、蛾(ヒヒル)の火に投(い)るが如し」
ひ‐むし【蛾・火虫】
1 (蛾)蛾(が)。特に蚕(かいこ)のさなぎが羽化したもの。また、蚕のさなぎ。
2 夏の夜など灯火に集まって来る蛾などの虫。《季・夏》
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