かな・う【適う・叶う】(かなふ)🔗⭐🔉振
かな・う【適う・叶う】(かなふ)
〔自ワ五(ハ四)〕(「かね(兼)」「あう(合)」の変化という)
1 ちょうどよく合う。うまくあてはまる。ある条件に適合する。「時宜にかなった発言」*万葉‐八「潮も可奈比(カナヒ)ぬ今は漕ぎ出でな」
2 思うとおりになる。望んでいたことが成就する。
「心にかなう」の形で用いる。*古今‐三八七「命だに心にかなふ物ならば」
単独で用いる。多く「…がかなう」の形で用いる。「願い(望み)がかなう」*落窪‐四「その夜思ひ臥したりし本意の、皆かなひたるかな」
3 することができる。また、することが許される。→かなわない2。*平家‐八「あまりにふとって一町ともえ走らず、物具ぬぎすてて歩めどもかなはざりけり」
4 競争相手として同程度である。匹敵する。「勉強も運動も彼にはかなわない」*平家‐九「手いたうせめられたてまつて、かなはじとや思ひけん」
〔他ハ下二〕⇒かなえる(適)
●叶わ=ない[=ぬ・ず]
1 やむを得ない。どうしようもない。避けられない。*虎寛本狂言・節分「叶はぬ用の事が御座る。ひらに爰を明て被下い」
2 そういう状態ではいられない。そういうことをしてはたまらない。たえられない。困る。「すぐ泣くからかなわない」「こう毎日降られてはかなわない」「思いを果さずばかなうまい」*徒然草‐一四〇「朝夕なくてかなはざらん物こそあらめ、その外は何も持たでぞあらまほしき」
●叶わぬ時の=神叩(かみだた)き[=神頼み]
ふだんは神を拝んだことのない不信心な者でも、思いどおりにならない、困った時には、神の助けを借りようとして祈ること。苦しい時の神頼み。




日本国語大辞典 ページ 4382 での【適うかなふ】単語。