に‐して🔗⭐🔉振
に‐して
〔連語〕(「して」は、サ変動詞「する」の連用形に接続助詞「て」の付いたもの)
(格助詞「に」に「して」の付いたもの。全体で格助詞的にはたらく)
1 場所または時を表す。…において。…にあって。…で。*万葉‐六三四「家二四手(ニシて)見れど飽かぬを」*平家‐一「清和天皇九歳にして文徳天皇の御禅をうけさせ給ふ」
2 (近代の文語的な用法)…の場合でも。…でさえも。→してからが。「君にしてこの失態があるとは」
(形容動詞連用形語尾の「に」、または、断定の助動詞「なり」の連用形「に」に接続助詞的用法の「して」の付いたもの)…で。…であって。…であって、しかも。*古事記‐中・歌謡「我が心しぞいや愚(をこ)邇斯弖(ニシテ)今ぞ悔しき」*俳・奥の細道「月日は百代(はくだい)の過客にして」
[補注]上代には「にて」に比べて「にして」の例が圧倒的に多い。平安時代には、「にして」は和歌や漢文訓読系のものに限られるようになったが、後に混用。


日本国語大辞典 ページ 15585 での【にして】単語。