だい【大】🔗⭐🔉振
だい【大】
形の大きさ、数の多少など、相対的な評価、認識において、大きい方あるいは多い方であることをいう。⇔小。
1 (形動)数量や形または規模範囲などが大きいこと。*平家‐二「大の眼(まなこ)」
2 (形動)ものごとの程度が大きいこと、はなはだしいこと。「その責任は重く且つ大である」*虎寛本狂言・察化「あれは都に隠れもない身ごいのさっくはと云て、大のすっぱじゃ」
3 (形動)実際よりも誇張して偉そうであったり大きかったりするさま。特に、虚勢を張った大言壮語やはったりをいう。*洒・短華蘂葉「ヱライ大いふナ」
4 太陽暦で三一日ある月。太陰暦で三〇日ある月の称。大の月。*日葡辞書「コノ ツキワ daide(ダイデ) ゴザル」
5 中世から近世初期にかけて地積の単位。一段の三分の二をいい、太閤検地以前は二四〇歩。それ以後は二〇〇歩を称した。大歩。
6 女郎の格付けで高級な位。品川の遊里で、揚代十匁の女郎をさしていう。
7 役者評判記の位付の一つ。「功」と同じく至の上、白極の下に位し、功よりは上極昇進の望みがある。
8 長大な打刀(うちがたな)のこと。小刀を「小」というのに対する。
〔接頭〕(体言に付く)
1 (名詞に付いて)
数量や形、または規模が大きい意を添える。「大群衆」「大豊作」「大庭園」「大工事」「大企業」「大辞典」「大転換」「大洪水」など。
の意に加えて、さらにそれを尊敬賛美する意を添える。「大先輩」「大編集者」「大社長」「大試合」など。
2 状態や程度を表す語に付いて、そのさまのはなはだしい意を添える。「大好き」「大混乱」「大好物」「大失敗」など。
3 位階、序列などを表す語に付いて、その上である意を添える。「大僧正」「大宮司」など。
〔語素〕具体的な物を表す語に付いて、その大きさとほぼ同じである意を添える。「こぶし大」「米粒大」「鶏卵大」など。
●大なり小(しょう)なり
(「大なれ小なれ」とも)大きいにしろ小さいにしろ。大小にかかわらず。ともかくも。*浄・曾我五人兄弟‐四「大なれ小なれ御身は曾我の世継也」
●大の男(おとこ)
1 大きな男。おおおとこ。
2 一人前の男。成人したりっぱな男。
●大の子(こ)
静岡県浜名郡地方で、小正月に豊産のまじないに用いる祝棒(いわいぼう)。
●大の字
⇒親見出し
●大の月(つき)
一か月の日数が、太陽暦で三一日、太陰暦で三〇日ある月。すなわち太陽暦で、一・三・五・七・八・一〇・十二の各月。⇔小の月
●大の虫を生かして小の虫を殺す
どうしてもやむをえない時には、大きなものを救うために、小さなものを犠牲にするということのたとえ。小の虫を殺して大の虫を助ける。
●大は小を=兼ねる[=叶(かな)える]
大きいものは、小さいものの代用品としても利用できる。






日本国語大辞典 ページ 12519 での【大】単語。