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実験美学     【ジッケンビガク】🔗🔉

実験美学     【ジッケンビガク】 experimental aesthetics  心理学的立場からの美学に対する実験的接近を実験美学といい,精神物理学の祖フェヒナー(Fechner, G. T.1871)が提唱した。彼はそれまでの哲学的思弁的美学を「上からの美学」とよび,それに対し実験美学を科学的・経験的方法による帰納的方向からの美学として「下からの美学」と名づけた。今日では実験美学は対象を芸術一般に限定せず,また方法論も多様化し,科学的美学一般へと拡大・普遍化している。 →精神物理学 →黄金分割 →vid.文献 ◆太田裕彦

失語     【シツゴ】🔗🔉

失語     【シツゴ】 aphasia  大脳半球の言語領野(言語中枢)の損傷によって言語機能が障害を受け諸種の言語活動が困難になった状態をいう。発声運動器官の障害(マヒ性構音障害),感覚受容器官の障害(難聴・聾など),知能障害,感情障害,意欲障害などによる言語異常は失語症から除く。発語の流暢性,喚語,呼称,復唱,統語,言語理解,音読,読解,書字,計算などの諸言語活動の障害の受け方によって諸種のタイプの失語症に分類される。一般的には,言語理解はよいが発語が困難な運動性失語(ブローカ失語),発語は流暢だが言語理解が困難な感覚性失語(ウェルニッケ失語),発語や理解はよいが喚語が困難な健忘失語,復唱が困難な伝導失語,言語機能が全般に廃絶した全失語,などに分類している。解剖学的には左大脳半球の第三前頭回後部の損傷で運動性失語,第一側頭回後部の損傷で感覚性失語,これら言語領野の広範な損傷で全失語が出現する。左半球が言語機能の優位半球とされるが,右半球損傷による失語症(交差性失語)や皮質下損傷による失語症も存在する。また小児では脳病変を特定できない発達性失語(発達性言語障害)がみられる。 →ウェルニッケ領域 →ブローカ領域 →感覚性失語 →運動性失語 →失声 →言語障害 ◆坂爪一幸

心理学辞典 ページ 897