起立性調節障害 【キリツセイチョウセツショウガイ】🔗⭐🔉振
起立性調節障害 【キリツセイチョウセツショウガイ】
orthostatic dysregulation
臨床上,起立性低血圧とほぼ同義である。仰臥位から立位になると血液が下方に移動するため,
血圧は低下する。しかし,正常人では交感神経を中心とする調節機構が働き,末梢血管の収縮,圧受容体からの反射による
心拍数の増加などにより,血圧,循環血液量を維持する。この調節機構に障害があると,起立時に頭部への血流が不足して,血圧低下,動悸,立ちくらみ,めまい,失神をきたす。このほか,食欲不振,倦怠感,
頭痛,吐き気などを訴える場合もある。病因には,本態性,症候性,薬剤性などがある。診断は,起立試験による血圧の低下(20mmHg以上)と自覚症状である。原因疾患(シャイ・ドレーガー症候群など)に関する検索も重要である。治療としては,日常生活に対する指導が大切で,規則正しい食事,運動,睡眠,また,仰臥位から起立する際,急に立ち上がらず時間をかけてゆっくり体を起こすなどの指導を行う。
薬物療法では,自律神経調節薬,昇圧剤などが用いられる。
→血圧
◆堀江はるみ




心理学辞典 ページ 502。