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フロイト     【フロイト】🔗🔉

フロイト     【フロイト】 Freud, Anna(1895-1982)  精神分析の創始者であるS. フロイトの末の娘で,正統フロイト派に属する。父フロイトがナチスに追われてロンドンに亡命した時に行動をともにし,以後イギリスを中心に活動する。防衛機制論を発展させ,自我の健康な働きを強調して精神分析的自我心理学の基礎を作る。また精神分析を子どもに適用して遊戯療法を始めた先駆者であり,児童分析のあり方をめぐって,クラインと激しい論戦を繰り広げた。 →vid.文献 ◆弘中正美

フロイト     【フロイト】🔗🔉

フロイト     【フロイト】 Freud, Sigmund(1856-1939)  精神科医で,精神分析の創始者。長くウィーンに在住し,最晩年にナチスに追われてロンドンに亡命するまで,その地で活動した。神経症とりわけヒステリー患者の治療に専心し,徹底した事例の検討に基づいて,神経症の発生およびその治療メカニズム,さらには人のパーソナリティ発達のメカニズムに関する多くの卓越した仮説や理論を提唱した。フロイト理論において何よりも重要な点は無意識への着目であり,人の行動や神経症的症状が無意識的な願望や衝動の影響を受けて因果的に決定されるということである(心的決定論)。また彼は,無意識的衝動を性的色彩を帯びた心的エネルギーとしてのリビドーの概念で説明し,そのリビドーの正常な発達について幼児期体験の重要性を指摘した。フロイトの理論は,力動精神医学の大きな潮流を作り出しただけでなく,心理学さらには文化人類学などの隣接諸科学に多大な影響を与えた。その一方,彼の理論に内在する性的要素の偏重や生物学主義などを批判して有力な弟子が次々と離反し,結果として力動精神医学・深層心理学の流れに属する多くの学派を生み出すこととなった。 →vid.文献 ◆弘中正美

心理学辞典 ページ 1948