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ハイパーカラム     【ハイパーカラム】🔗🔉

ハイパーカラム     【ハイパーカラム】 hypercolumn  サルの大脳皮質視覚領のV1(視覚第1野)では,特定の方位(傾き)をもつ刺激が受容野に呈示された時に応答を示すニューロンが発見されている。ヒューベルウィーゼル(Hubel, D. H. & Wiesel, T. N.1979)は,同じ方位に応答するニューロンは皮質の表面から底に向かってカラム状にならび,皮質の表面に平行な方向で調べると,ニューロンの偏好方位が徐々に変化し,皮質上の長さ1mmのなかに全方位(180°)が含まれていることを見出した。また,V1のニューロンは右眼と左眼のどちらかの入力を優位に受けているが,皮質上で約0.5mmおきにこの眼優位性が変化することもわかった。そこでV1が図に示すような構造で整然と区画化されていることを想定し,その構造をハイパーカラムとよんだ。そして,V1上の1mm×1mm×厚さ2mmの1個のハイパーカラムが基本的な単位(モジュール)となり,視野内の特定位置にある刺激の特性が分析されるとした。さらに,色の違いに敏感に応答するニューロンがブロッブ(小塊)状に集まっていることも確認され,ハイパーカラムに付け加えられたが,最近では,一部修正を必要とする知見も提出されている。カラム構造は,の他の領野(たとえば運動野)でも確認されてきている。 図表 →カラム構造 →視覚生理学 →大脳皮質 →モジュール →vid.文献 ◆行場次朗

心理学辞典 ページ 1741