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超恒常     【チョウコウジョウ】🔗🔉

超恒常     【チョウコウジョウ】 overconstancy  事物のさまざまな知覚的特性は,日常的な条件のもとでは遠刺激に近く,還元条件のもとでは近刺激の性質を示し,多くの場合,両者の中間的な性質を示す。すなわち,恒常度指数は0と1の間の値を示す。ところが,観察・教示条件によって恒常度指数が1よりも大きくなる場合がある。これを通常,超恒常(性)とよぶ。ただし,大きさの恒常性の研究では,上記の定義のほかに,標準刺激の観察距離が増大するのに伴って,比較刺激の大きさが増大する場合を超恒常とよぶことがある。 →恒常現象 →恒常度指数 ◆東山篤規

調査     【チョウサ】🔗🔉

調査     【チョウサ】 survey  観察実験,検査(テスト)と並ぶ科学的データ収集の方法。一口に「調査」といっても,心理学社会心理学,社会学,文化人類学などの学問領域間で意味が異なる。たとえば,世論調査に代表されるような標本抽出に基づいた質問紙法による調査と,文化人類学で行われるフィールドワークとでは,データ収集の方法という点においては一致しているものの,その性格は互いに大きく異なっている。  心理学における調査は,実験研究と相関研究を対比する文脈において,相関研究の代表的な方法として位置づけられる。実験研究では意識行動に影響を与える条件が統制され,被験者が諸条件にランダムに割り当てられるが,倫理的な問題が生じるような条件統制は不可能である。このように,測定は可能でも統制ができない場合には2変数間の関係を調べる相関研究が実施される。相関研究としての調査の長所は,一度に多くの変数を測定可能な点や統制不可能な状況下での研究を可能にする点であるが,その短所は因果関係の特定ができない点である。ただし,因果関係に関する研究が全くできないわけではなく,スプリット調査やパネル調査によってある程度の推測は可能となる。スプリット調査とは,抽出された標本をランダムに二分し,それぞれに異なる質問をして結果を比較する調査方法である。こうした方法で独立変数を操作すれば,実験に準じる研究が可能となる。一方,パネル調査とは,同一の回答者に一定の時間間隔をおいて質問する方法である。この方法には,ある程度の因果関係の推測が可能になるという長所があるが,繰り返し調査することによって回答者が影響を受けたり回収率が低下するという短所もある。  調査方法としては面接員と回答者が向き合う面接調査が代表的であるが,その他にも,留置とめおき調査(質問紙を配布した後に回答者宅を訪問して回収する方法),電話調査,郵送調査,集合調査(回答者に1カ所に集合してもらい配布した質問紙に一斉に回答してもらう方法)などの方法がある。また,回答者が自分で記入する場合を自記式調査,研究者や面接員が記入する場合を他記式調査とよぶ。 →社会調査 →標本調査 →質問紙法 →パネル調査 →実験 →観察 →面接《続有恒1974;続有恒・村上英治1975;林知己夫1984;末永俊郎1987;原岡一馬1990;佐藤郁哉1992→vid.文献 ◆山田一成

心理学辞典 ページ 1521