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他者志向型/内部志向型/伝統志向型     【タシャシコウガタ/ナイブシコウガタ/デントウシコウガタ】🔗🔉

他者志向型/内部志向型/伝統志向型     【タシャシコウガタ/ナイブシコウガタ/デントウシコウガタ】 other-directed type / inner-directed type / tradition-directed type  アメリカの社会学者リースマンは『孤独な群衆』(Riesman, D. et al.1950)のなかで,伝統志向型,内部志向型,他者志向型という三つの人間類型(同調類型)を提出した。伝統志向型とは,停滞的な共同体社会のなかで宗教や習慣などの伝統に従って行動するタイプで,外的権威や恥の意識によって行動を規定されており情緒的で非合理的な特徴をもつ。内部志向型とは,伝統や習慣が自明性を失っていく変化の激しい社会で,自己内部の良心(人生の初期段階で親や教師などに植えつけられた抽象的な目標)に従って行動するタイプである。他者志向型とは,絶えず他者の行為や欲求に同調しながら自己の生活目標を変えていくタイプで,1940〜50年代のアメリカ大都市における上流中産階級に典型的であったとされる。これら三つの類型は人口動態のS字曲線と関係づけられており,多産多死の中世以前の社会では伝統志向型,多産少死の近代社会では内部志向,少産少死の大衆社会では他者志向が支配的になると考えられているが,その因果関係の説明には批判も多い。 →同調 →大衆 →大衆社会 →孤独な群衆 →vid.文献 ◆山田一成

心理学辞典 ページ 1445