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大脳核     【ダイノウカク】🔗🔉

大脳核     【ダイノウカク】 cerebral nuclei ; basal ganglia  大脳半球白質中にある灰白質で,基底核とか終脳核ともいわれる。基底核には通常,尾状核・レンズ核(被殻と淡蒼球)・前障・扁桃核が含まれる。さらに,マイネルト(Meynert, T.)の基底核をこれに加えることがある。尾状核と被殻は合わせて(新)線条体(corpus striatum ; neostriatum)とよばれる。ちなみに,淡蒼球は古線条体(paleostriatum),扁桃核は原始線条体(archistriatum)といわれる。尾状核やレンズ核は前頭葉運動前野から線維を受ける錐体外路系に属し,運動の調節,特に筋の緊張統御に関係する。パーキンソン病舞踏病は大脳核の異常による。また,線条体は小脳とともに非宣言的記憶(手続記憶)に関与する。扁桃核は以前は嗅覚にもっぱら関係する領域と考えられていたが,最近では,むしろ感情認知および記憶に密接に関係することが明らかになってきた。扁桃核が損傷されると,クリューヴァー = ビュシー症候群として知られている認知,情動障害を生じる。マイネルトの基底核は広範な大脳皮質に投射するが,アルツハイマー型老年痴呆ではこの核の細胞が脱落する。前障は広範な大脳皮質と相互に投射関係をもつが,その機能的意義は不明である。 →パーキンソン病 →舞踏病 →扁桃核 →手続記憶 →クリューヴァー = ビュシー症候群 →アルツハイマー型老年痴呆 ◆靱負正雄

心理学辞典 ページ 1427