神経細胞 【シンケイサイボウ】🔗⭐🔉振
神経細胞 【シンケイサイボウ】
nerve cell
ニューロン(neuron)と同義。通常,核が存在する細胞体,それから伸びる1本の長い
軸索,比較的細くて短く複雑に分枝した数本ないしは数十本の
樹状突起からなる。神経細胞の大きさや形態は多様である。運動神経のように長い軸索をもつ細胞もあるが,
中枢神経系の神経細胞のように軸索が短いか,あるいはないものもある。また,各種感覚器官の受容細胞のように非常に特殊化した形態,機能を有する神経細胞もある。この形態の多様性が神経細胞の機能の相違を示している。
細胞体は細胞全般の栄養と物質の合成をつかさどる部位で,核,ミトコンドリア,中心体のほか,ニューロフィラメントやニッスル小体など神経細胞に特有の構造物が存在する。さらによく発達したゴルジ体や多数のリボソームが観察され,物質合成が盛んであることを示している。
神経伝達物質の合成や
視床下部の細胞にみられるような
ホルモンの合成が行われている。軸索内には,微小管や神経細線維などが軸索の長軸方向に走行している。これらの微小構造物は細胞体で合成された物質を神経終末(軸索末端)まで運搬する軸索輸送を担っている。細胞体あるいは軸索起始部で発生した
活動電位は神経終末部まで伝導する。神経終末部はいくつかに分枝しその先端は少し膨らみ
シナプス小頭とよばれる。シナプス小頭内にはシナプス小胞やミトコンドリアが多く存在し,シナプス前細胞の特徴となっている。シナプス小頭は他の神経細胞あるいは筋細胞とシナプス結合しており,ここから放出される伝達物質によりシナプス前細胞の信号をシナプス後細胞に伝達する。シナプスの部位の多くは樹状突起にみられるが細胞体にも存在する。さらに中枢神経系では軸索にシナプス結合しているものもある。いずれの場合でもシナプス後細胞の膜にはシナプス前細胞から放出される化学物質の受容体とこれに続いた
イオン・チャネルが存在する。
→軸索 →樹状突起 →シナプス →神経伝達物質 →グリア細胞
◆霜田幸雄









心理学辞典 ページ 1130。