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イメージ・リハーサル法     【イメージリハーサルホウ】🔗🔉

イメージ・リハーサル法     【イメージリハーサルホウ】 image rehearsal(technique)  特定の場面およびそこでの行動や心理状態を,想像心的イメージを用いて,繰り返し頭のなかで再現することによる学習および治療の方法。メンタル・リハーサルとほぼ同義だが,イメージ・リハーサル法という場合,視覚的イメージの体系的な活用が強調されることがある。主として,スポーツや芸術における技能学習やあがりの防止,心理療法における神経症や習癖の治療などの目的に活用されている。実際のリハーサルができない時や,現実の場面では過度の不安緊張が生じて適応的な行動が困難な場合など,特にイメージ・リハーサル法が有効である。イメージ・リハーサル法の実施は通常の意識状態でも可能であるが,催眠自律訓練法などを併用して,鮮明な視覚的イメージとそれに伴う身体感覚や心理状態の変化を生じさせると,いっそう効果的である。イメージ・リハーサル法は,心理療法の技法としては専門家の指導が不可欠であるが,習熟すれば,自己学習の方法として,時と場所を選ばず一人で実施できる利点がある。 →催眠 →自律訓練法 →心的イメージ →メンタル・リハーサル →行動リハーサル ◆坂入洋右

色     【イロ】🔗🔉

     【イロ】 color  人間が視覚系を通じて外界の刺激を受容することによって生ずる知覚現象の一属性をさす。特に,外界に関する情報のうち,大きさ,形態,明るさなどが同じ場合でもなお相違をもたらす属性のことを色という。視対象の色は,その分光分布特性と密接な関連があり,その分光分布特性に関する情報を受容するのが色覚系である。視対象の色はその分光分布特性に依存して変化するが,分光分布特性が全く異なっていても等色して見える(条件等色という)場合もあれば,また逆に,分光分布特性が等しくても条件(同時対比,継時対比,同化,順応色の現れ方の相違など)によっては異なって見える場合もある。これは色が知覚現象であることを明確に示すものである。したがって,色について厳密に考える場合には,その物理学的側面だけでは不十分であり,心理学的側面をも把握しておかなければならないのである。つまり,色を定義する場合には,刺激としての物理的性質を特定するとともに,その刺激を受容した場合に生ずる心理的性質を特定することがきわめて重要なのである。その意味で,ニュートン(Newton, I.1704)の「光線に色はついていない」という言葉は名言であるといえよう。  色の属性は三次元的に特定できることが知られている。それが,色相明度彩度の三つである。色相は色みに対応する次元であり,反対色説のいうように,人間の知覚するすべての色は赤,緑,黄,青の4色およびその組合せで表現できる。そして,明度は明るさ(明暗)に,彩度は鮮やかさにそれぞれ対応する次元である。 →視覚系 →刺激 →対比 →順応 →色の現れ方 →知覚 →色相 →明度 →彩度 →反対色説《Wyszecki, G. & Stiles, W. S.1982;Kaiser, P. K. & Boynton, R. M.1996→vid.文献 ◆日比野治雄

心理学辞典 ページ 113