社会的スキル 【シャカイテキスキル】🔗⭐🔉振
社会的スキル 【シャカイテキスキル】
social skills
狭義には,対人場面において相手に適切かつ効果的に反応するために用いられる言語的,非言語的な
対人行動をさす。ただし最近は,この対人行動の実行を可能にしている認知的側面や感情の統制なども含め,包括的概念として扱うことが多い。この観点から捉えた場合,社会的スキルとは次のような諸点を含む概念であるといえよう。(1)社会的スキルは対人場面における目標(対人目標)を達成するために用いられるものである。(2)社会的スキルは,言語的,非言語的な対人行動として実行される。通常,複数の言語的,非言語的な対人行動が同時に使用され,個々の対人行動は相互に関連し合っている。(3)個々の対人行動の統合と統制,相手の行動の解読,社会的ルールに関する知識,感情統制など,対人的な能力が対人行動の実行を可能にしている。(4)社会的スキルの良否は,効果性と適切性の観点から判断できる。効果性とは,対人目標が達成され相手との関係が肯定的になることである。適切性とは,対人目標の達成方法が当の対人場面にふさわしいことである。(5)社会的スキルは,自らの対人行動に対して他者が与える
強化によって,または,他者の対人行動の
モデリングによって
学習されたものである。(6)社会的スキルの欠如や良否は特定でき,介入や訓練によって改善することもできる。
社会的スキルの欠如は,おもに
発達段階の重要な時期に,(1)社会的スキルの適切なモデルに十分,接触する機会がなかった,(2)社会的スキルを十分に実践してみる機会がなかった,(3)間違った不適切な社会的スキルを習得してしまった,という理由から生じる。特定の社会的スキルが欠如していたり不適切に学習されていたりすると,対人的問題や適応上の問題を引き起こす可能性が増す。子どもの場合には,
引っ込み思案や
攻撃性との関係が検討され,成人の場合には,シャイネス,うつ病,
精神分裂病などとの関係が検討されている。このような対人的な
問題行動や適応上の障害をもつ個人を対象に,社会的スキルを新たに獲得させようとする訓練が各種考案されている。これらの訓練を総称して
社会的スキル訓練とよんでいる。
→社会的スキル訓練 →対人関係 →対人不安 →社会性 →共感性《Hargie, O. et al.1994;相川充・津村俊充1996》
→vid.文献
◆相川充










心理学辞典 ページ 953 での【シャカイテキスキル】単語。