社会的自己 【シャカイテキジコ】🔗⭐🔉振
社会的自己 【シャカイテキジコ】
social self
ジェームズ(James, W.1890)は,知るものとしての自我(pure ego ; I, 主我)と,知られるものとしての自我(empirical ego ; me, 客我)を区別したうえで,客我の構成要素として,物質的自己(material me),社会的自己(social me),精神的自己(spiritual me)の三つを区別した。物質的自己には,自分自身の身体をはじめ衣服・家族・財産などが含まれる。精神的自己とは,その人の意識状態や心的能力,傾向性などを意味する。これに対し社会的自己とは,周囲の人々から受け取る自分についての認識に基づいて形成される
自己の側面を意味する。したがって,人は自分についてのイメージを抱いてくれる人と同数の社会的自己をもつことになるが,実際には同じイメージをもつ個人や集団を合わせることによりいくつかのまとまりに分類され,それぞれの他者や集団に対し異なる側面をもった人間として振る舞うことになる。こうした自己が社会的な所産であるとする考え方は,
ボールドウィン(Baldwin, J. M.1897)によっても強調されており,その後,
クーリー(Cooley, C. H.1902)の
鏡映的自己,
ミード(Mead, G. H.1934)の
役割取得などといった考え方や,
役割理論,
象徴的相互作用論の発展につながっていった。
→自我 →鏡映的自己 →役割取得 →役割理論 →象徴的相互作用論
→vid.文献
◆堀毛一也









心理学辞典 ページ 951 での【社会的自己 】単語。