社会心理学 【シャカイシンリガク】🔗⭐🔉振
社会心理学 【シャカイシンリガク】
social psychology
個人とその社会的状況との間の相互的な影響過程を科学的に研究する学問の一分野。研究対象は多様であり,個人の心理過程に関しては
自己,帰属過程,
態度と
態度変容,
対人認知など,対人的過程に関しては
攻撃,援助,
説得,
対人魅力,対人
コミュニケーション,
対人関係など,集団内行動に関しては
集団の構造・機能,
社会的勢力,
リーダーシップなど,
集団間行動に関しては
偏見,
差別,
協力と競争,取り引き,交渉など,社会の水準(societal level)に関しては
集合行動(
流言など),
普及過程,消費・購買行動などがあげられる。さらに,応用的研究として,環境,法律・裁判,健康,教育,臨床・
カウンセリングなどに関連する話題が扱われている。全体的にみると,いずれの研究対象に関しても特に北米を中心にして個人の心理過程の分析を重視するアプローチが盛んであるが,その一方,欧州諸国を中心として集団と個人との関係を重視するアプローチ(
社会的アイデンティティ理論など)も一定の地位を獲得している。また,
自然観察法や
調査法を用い,個人と社会の間の影響過程を社会的相互作用に焦点を当てて研究を進める「社会学的」社会心理学の伝統もある。
象徴的相互作用論,
エスノメソドロジー,
アイデンティティ理論などはこの領域における重要な研究トピックスである。
研究方法としては,心理学的な社会心理学では
実験が中心的に用いられる。
実験室実験は,実験群と
統制群に被験者を割り振ったうえで,少数の
独立変数を操作し,それが被験者の行動(従属変数)に及ぼす効果を測定する。これによって仮説を実証的に検証することが可能となるとされるが,人間を対象にして厳密な実験を実施することに対して倫理的側面(
プライバシーの侵害や被験者の騙し)や方法的側面からの批判もある。
→対人行動 →集団 →認知社会心理学 →環境心理学 →政治心理学 →社会生理学 →ディセプション
◆安藤清志































心理学辞典 ページ 938 での【社会心理学 】単語。