自伝的記憶 【ジデンテキキオク】🔗⭐🔉振
自伝的記憶 【ジデンテキキオク】
autobiographical memory
人が生涯を振り返って再現するエピソードのこと。自伝的記憶は人生の目標や強い
感情,個人的な意味を含んでおり,
自己や個人の
アイデンティティと密接にかかわっている。自伝的記憶は時間や場所の情報が付随しているという点で
エピソード記憶の一つであるが,必ずしも同じものではない。たとえば「私が毎日朝食に何を食べているか」というような定型的出来事に関する記憶は,エピソード記憶ではあっても自伝的記憶ではない。それは,「私」にとって重要な意味をもっていないからである。自伝的記憶は,
日誌法や質問紙などによる自己報告によって調べられる。自由に過去の出来事を想起させる方法や,手がかりとなる単語(たとえば「川」)を与えて想起させる方法などがある。一般に,想起時点からさかのぼるに従って思い出される出来事の数は減少するが,10歳から30歳にかけての出来事の想起が多い。これはその年代の出来事が人生にとって重要な意味をもっていることを示している。
→不随意的記憶 →フラッシュバルブ記憶 →幼児期健忘 →回想 →ゴールトン手がかり法
◆川口潤





心理学辞典 ページ 910 での【自伝的記憶 】単語。