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失認     【シツニン】🔗🔉

失認     【シツニン】 agnosia  の局所的病変によって出現する高次機能障害で,ある感覚を介する対象認知の障害。視覚失認の場合では,視覚能力は保たれているのに対象の視覚認知ができない状態のこと。(1)特定の感覚様相(モダリティ)にかかわり,(2)要素的感覚障害,一般的精神症状,言語障害のいずれによっても説明されず,(3)脳の局所的病変に起因する,という三つの要因で規定される。感覚様相に応じて,視覚失認,聴覚失認,触覚失認,身体失認が区分される。しかし,要素的感覚障害がないという保証は困難で,この点からの指摘は残る。最も一般的な視覚失認としては,機能レベルで,知覚を形態として統合することの障害である統覚型と,形態と意味との連合障害である連合型,それに部分の知覚は成立するが状況全体の認知が実現できないという同時失認が区別される。また対象レベルの分類として,色彩失認相貌失認が知られている。 →視覚失認 →聴覚失認 →空間失認 →身体失認 →色彩失認 →相貌失認 ◆増井透

心理学辞典 ページ 905 での失認     単語。