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自己効力感     【ジココウリョクカン】🔗🔉

自己効力感     【ジココウリョクカン】 self-efficacy  自分が行為の主体であると確信していること,自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念,自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信が自己効力感である。  自己効力感の起源として考えられるのは,バンデューラ(Bandura, A.1986,92,94)に基づけば次の4点である。(1)熟達の経験である。成功は個人的な効力感の確固とした信念をつくりあげ,失敗経験は,特に効力感が確立されていない場合には,効力感を低めてしまう。(2)社会的なモデリングである。モデルはコンピテンス動機づけの起源として役立つ。自分に似た他人が持続的な努力で成功するのをみれば,自分自身の可能性についての確信を強めることになる。(3)社会的な説得による影響である。自己効力感をもった行為について,それが認められ励ましを受ければ,より努力をするようになり,それが成功の機会を高める。そして,(4)自分の生理的な状態にも部分的にではあるが依存している。生理的な過剰反応を減らしたり,自分の生理的な状態の解釈の仕方を変えることで自己効力感を強める。  このような自己効力感は,同じくバンデューラによれば,人間の行動の仕方を次の4点で統制している。(1)認知的側面:自分の能力がどれだけあるか,自分の目標を設定する仕方を決定する。(2)動機づけ的側面:その後の結果を予測し,目標の設定を決定する。自己効力感が達成の努力や肯定的な生き方の必要条件になっている。(3)情動的側面:自己効力感は個人的な情動経験の性質や強度,不安や自己統制のあり方を決定する。(4)選択的側面:自己効力感のもてる領域を選んで,そこで挑戦的な生き方を取ろうとする。  自己効力感を発達的視点から捉えることも重要であり,子どもの自己認知の発達水準や,その時の親や教師などとの関わりに応じて,自己効力感の様相は異なってくる。 →達成動機 →要求水準 →動機づけ《松田惺・鈴木眞雄1988;竹綱誠一郎ほか1988→vid.文献 ◆松田惺

心理学辞典 ページ 848 での自己効力感     単語。