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自己概念     【ジコガイネン】🔗🔉

自己概念     【ジコガイネン】 self-concept  自らが自己を対象(客体)として把握した概念。自分の性格や能力,身体的特徴などに関する,比較的永続した自分の考え。自己観や自己像,自己イメージも同義に扱われることがある。自己概念は,自己観察や,周囲の人々のその人に対する言動や態度,評価などを通して形成される。特にミード(Mead, G. H.1934)らは他者との相互作用を通して明確化されたものを社会的自己(social me)とよび,自己概念が社会的に構成されたものであると考えた。  自己概念は,一種の理論のような働きをする。つまり,それは過去や現在の経験を統合した知識の形で表しているだけでなく,将来の行動や意識のあり方を左右し,その人自身についての新たな知識の獲得を方向づける。たとえば,自分は良い父親だと強く考えている人は,過去に子どもと遊んでやった経験を記憶にとどめ,子どもとの約束を破ったことは忘れてしまったりあるいは外的要因に帰属させてしまうことによって,良い父親だという自己概念を保持しようとするとともに,これからも自分が良き父親であることを示すような情報を求め,ふさわしい行動をとろうとつとめる。自己概念は自己だけでなく,他者への認知にも影響する。セルフ・スキーマは自己概念のこうした認知的側面を関心テーマの一つとする社会認知的研究領域での用語である。  自己や人というものをどのように考えるかについては,文化差を指摘する声がある。西洋における,他と屹立し状況から比較的独立的な自己に対して,わが国のそれが他者や状況により依存しているとするなら,それぞれの文化では自己定義の仕方が異なり,自己概念の内容のみならず,構造や機能などにおいても違いのあることが考えられる。 →自己 →社会的自己 →セルフ・スキーマ →作動自己概念 →自発的自己概念 →象徴的自己達成 →vid.文献 ◆遠藤由美

心理学辞典 ページ 842 での自己概念     単語。