複数辞典一括検索+

刺激     【シゲキ】🔗🔉

刺激     【シゲキ】 stimulus  感覚器を通して生活体に受容され,行動の基礎となる情報を形成する外界の事物またはエネルギーをさす。すなわち,感覚過程を生じさせるエネルギーという狭義で用いられる場合と,それのもつ意味・情報という広義で用いられる場合がある。いずれにせよ,心理学では刺激と反応の関係から媒介過程を系統的に検討していくのであるから,各実験,研究目的に適切な刺激の記述と設定が必要となる。  大きさの恒常性形の恒常性の研究のように,外界の事物と網膜上の投影像の両者を問題とする場合には,前者を遠刺激,後者を近刺激とよぶ。刺激強度については,反応を生じさせる最小限度の刺激の値を刺激閾いき,正常な感覚を生じさせる最大の刺激の値を刺激頂という。弁別閾あるいは丁度可知差異(jnd)は感覚的に区別できる刺激の最小の差である。弁別閾は一般に刺激強度に伴って増大する。このため弁別閾値(ΔI)と刺激強度(I)の比率を相対弁別閾(relative threshold)またはウェーバー比(Weber ratio)とよんで弁別力の指標とする。かつてはこの値は一定である(ΔI/I=C, ウェーバーの法則)とされていたが,これは必ずしも成立せず,たとえば ΔI=CIギルフォードの法則)のようなさまざまな修正法則が提案されている。認知閾は,文字,単語等の具体的な対象を知覚できるための最小の呈示時間や刺激強度をさす。なお,刺激閾よりも弱い刺激を呈示して被験者には知覚されなくとも,何らかの影響(たとえば情動喚起)が及ぶことを閾下知覚というが,その存在については議論されるところである。  また,刺激の質については,は光,耳はというように,各受容器はそれぞれ特定の性質の刺激を感受する。これを適刺激とよび,感受しない性質の刺激を不適刺激とよぶ。 →反応 →課題 →感覚 →知覚 →弁別 →閾 →実験計画法 ◆三浦利章

心理学辞典 ページ 827 での刺激     単語。