錯視 【サクシ】🔗⭐🔉振
錯視 【サクシ】
visual illusion
視覚領域における
錯覚のこと。ほとんどの錯覚は錯視に含まれる。有名なものとしては,
幾何学的錯視,反転錯視,
月の錯視,対比錯視,運動錯視などがある。反転錯視は,奥行き
反転図形,図地反転図形,多義図形などに区別され,多数の図形や絵が発見(創作)されている。運動錯視では
滝錯視やホイール錯視(馬車や自動車の車輪が進行方向とは矛盾した回転現象に見える)などがよく知られている。しかし,錯視と特に命名されていない現象のなかにも,錯視と本質的に区別できない事象はたくさん存在する。たとえば,
自動運動,
仮現運動,
誘導運動などは,
刺激の客観的性質と
知覚された現象が全く異なる劇的な運動の錯視といえる。
知覚した世界と外界との間には大なり小なり食い違いが存在する。その食い違いを錯視というならば,視知覚はことごとく錯視ということになる。何々錯視という名称は,今日ではその由来と事象の識別の意味しかもたない。視知覚研究の課題の一つは,知覚された世界と外界の間にはどのような食い違いが存在し,その食い違いがどうして起こるのかを探ることである。その意味で,錯視を研究することは,視知覚のメカニズムを解明するための有効な手段になると考えられているのである。
→錯覚 →幾何学的錯視 →反転図形 →月の錯視 →対比錯覚 →滝錯視 →自動運動 →仮現運動 →誘導運動《椎名健1995;鈴木光太郎1990》
→vid.文献
◆田中平八











心理学辞典 ページ 766 での【錯視 】単語。