抗不安薬 【コウフアンヤク】🔗⭐🔉振
抗不安薬 【コウフアンヤク】
antianxiety drug
向精神薬の一種で,穏和精神安定剤,
マイナー・トランキライザーともよばれる。
意識を障害することなく,
不安や緊張などの
情動面の症状を選択的に改善し,
自律神経系の活動を安定させる。抗痙攣作用も有する。
抗精神病薬(強力精神安定剤)と比較すると,抗幻覚妄想作用はみられない。
ベンゾジアゼピン誘導体が主流で,10種類を越える薬剤が市販されている。ベンゾジアゼピン誘導体の作用は,脳内の
神経伝達物質の一種であるγ-アミノ酪酸(
GABA ギヤバ)を増強する作用によっていると考えられる。抗不安薬はさまざまな原因によって起こった不安や緊張に対症療法として用いられるものであるので,薬物の投与のみならず,
精神療法や
生活療法などを併用して,原因となる
ストレスへの対処法や環境の改善などを図る必要がある。適応症は幅広く,
神経症,うつ病などにおける不安や緊張,
心身症や各種身体疾患に伴う不安などに用いられる。向精神薬のなかでも安全性が高く,比較的副作用も少ない。ただし連用によって依存性が生じやすく,中止時に
離脱症状が起こることがあるので,漫然とした長期投与を避ける必要がある。
→薬物療法 →向精神薬 →抗うつ薬 →抗精神病薬
◆池淵恵美
















心理学辞典 ページ 676 での【抗不安薬 】単語。