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行動主義     【コウドウシュギ】🔗🔉

行動主義     【コウドウシュギ】 behaviorism  現代心理学における基本的方法論の一つ。科学的心理学とは行動の科学であり,その研究対象は客観的測定の不可能な意識ではなく直接観察可能な行動であり,その目的は刺激 = 反応関係における法則性の解明であるとする立場。1912年(論文は翌年),ワトソンは,当時主流であった内観法による意識心理学に対抗し,他の自然科学と方法論を共有するためには,心理学は客観的な行動を対象とすべきだと提唱した(Watson, J. B.1913)。こうした考え方の背景には,生物学におけるダーウィンの進化論,パヴロフの条件反射説,デューイエンジェルらの機能主義心理学の影響があったとされる。その後,ワトソンの行動主義をもとに,ハルトールマンガスリースキナーといった人々が独自の行動理論を発展させ,それらは新行動主義と総称された。  ワトソンの行動主義では,心理学の目的は行動の予測と制御であるとされ,物理的刺激と個体の全体的活動の関係が研究された。こうした刺激 = 反応結合に作用する法則として,頻度の法則と新近性の法則(law of recency)をあげたが,ソーンダイクのいう効果の法則は主観的であるとして認めなかった。また,刺激に伴う筋運動や腺分泌がどのように全体的行動に統合されていくかについては,条件反射以外の仮説をもたなかった。  なお,スキナーの実験的行動分析では,方法論的行動主義(methodological behaviorism)と徹底的行動主義を区別する。 →新行動主義 →学習心理学 →内観 →意識心理学 →徹底的行動主義《Watson, J. B.1930→vid.文献 ◆山田恒夫

心理学辞典 ページ 663 での行動主義     単語。