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抗精神病薬     【コウセイシンビョウヤク】🔗🔉

抗精神病薬     【コウセイシンビョウヤク】 antipsychotic drug  向精神薬の一種で,神経遮断薬(neuroleptic),または強力精神安定剤,メジャー・トランキライザー(major tranquilizer)ともよばれる。幻聴妄想などの精神病症状に対して特異的な改善作用があり,意識にほとんど影響することなく病的な精神運動興奮を鎮静化する働きがある。精神分裂病非定型精神病,躁病,器質性精神病,症状精神病などに用いられる。また意識障害を伴う幻覚妄想状態にも有効である。作用機序は,主として脳内のドーパミン・レセプターに結合して,ドーパミンの伝達を阻害することによると考えられている。化学構造のうえからいくつもの種類があるが,ドーパミン阻害作用は共通している。1952年にクロルプロマジンが発見されたのを皮切りに,次々に抗精神病薬が発見され,精神分裂病を中心とする慢性精神障害の治療が,精神病院への長期収容を余儀なくされていた時代から,脱施設主義,地域での生活を援助する方向へと,画期的に変化した。一方で,意欲の低下や感情鈍麻などの陰性症状や生活障害に対しては,抗精神病薬はほとんど効果がないこともわかっており,長期的な社会生活の改善のためには,心理社会的治療を併用することが必要である。 →薬物療法 →向精神薬 →抗うつ薬 →抗不安薬 ◆池淵恵美

心理学辞典 ページ 645 での抗精神病薬     単語。