現象学 【ゲンショウガク】🔗⭐🔉振
現象学 【ゲンショウガク】
phenomenology
現象学という用語は古くからさまざまな哲学的立場を表すのに用いられているが,
心理学と関係が深いのは,
フッサールによって創始された現象学である。ここでいう現象とは
意識に現れるものをさすが,日常的な,暗黙のうちに何らかの解釈が加えられた意識的経験ではなく,そのような習慣的な思い込みをすべて分離し棚上げにした(判断停止 Epoche)後になお残る,意識の純粋な現れ方を意味する。このような根源的な経験を得,さらにその本質あるいは意味を直観的に把握して,あるがままに記述しようとする方法や態度は,現象学的還元(ph
nomenologische Reduktion)とよばれる。そして,このような過程を通して,日常的な経験やものの見方を成立させる基盤,学問的認識における正しさの意味や学問的認識の価値,さらには意識をもつ人間の本質的な在り方あるいは生存の意味,などの解明が図られる。
→現象学的心理学 →現象学的観察 →実験現象学 →直観
◆江草浩幸




心理学辞典 ページ 609 での【現象学 】単語。