言語障害 【ゲンゴショウガイ】🔗⭐🔉振
言語障害 【ゲンゴショウガイ】
speech and language disorders
我々が言葉による
コミュニケーションを行う場合,そこには図に示されたような一連の過程(言葉の鎖 speech chain)が存在している。こうした一連の過程において,情報の送り手(話し手)は,情報を一定の
記号(
言語)に置き換え,媒体(
音声や文字など)を通じて受け手(聞き手)に伝達している。受け手は,伝達された記号を受け取り,情報の意味内容を理解していく。言語障害とは,送り手または受け手に備わった何らかの要因により,両者間の情報伝達過程のどこかが妨げられた状態をいう。具体的には,話し手自身が,話す内容よりも話し言葉自体に気をとられてしまう状態,あるいは聞き手が,話し手の話の内容よりも話し言葉自体に注意を向けてしまうような状態をさす。広義のコミュニケーション障害(communication disorders)と同義である。
図表
言語障害を引き起こす障害の分類については,さまざまな考えがあり,特に決まったものはない。上記の例でみると,組み立てられた言葉を音声などに置き換えて発信したり受信したりする段階での障害か,その前段階での言葉を組み立てたり理解したりする段階での障害かによって,大きく話し言葉の障害(speech disorder)と言語の障害(language disorder)とに分けることができる。前者に含まれる障害としては,
構音障害,発声障害(声の障害),
吃音,口蓋裂に伴う障害,聴覚障害,
脳性マヒに伴う障害などがある。聴覚障害を含めない場合もある。後者に含まれるものとしては,
言語発達遅滞や
失語症,
緘黙や自閉症などがある。いずれの場合にも,原因となる特定の疾患が明らかなものとそうでないものとが混在しており,分類基準は複合している。
→言語障害児 →言語療法 →言語発達遅滞 →緘黙 →精神遅滞 →構音障害 →吃音 →聾児 →脳性マヒ →失語 →自閉性障害《聴覚・言語障害児教育関係教官連絡会議1989;隈江月晴ほか1985;文部省1973;Northern, J. L.1982》
→vid.文献
◆谷本忠明











心理学辞典 ページ 595 での【言語障害 】単語。