幻覚 【ゲンカク】🔗⭐🔉振
幻覚 【ゲンカク】
hallucination
対象のない
知覚を幻覚という。幻覚を示す感覚
モダリティによって幻視,
幻聴,幻嗅,体感幻覚などに区別される。また幻覚はその知覚の実在感によって真性幻覚と偽幻覚とに分けられる。真性幻覚とは実在感の明確なもので,偽幻覚とは実在感が弱く体験する人の主観では
表象と区別ができない程度のものである。幻覚はまた体験する時の
意識の状態により区別される。意識清明時の体験か,意識水準の低下時の体験かを区別することが,その体験が生じる原疾患が何であるかの診断にとって重要である。すなわち幻覚は種々の疾患にみられるもので,意識清明時に幻覚を生じる疾患としては
精神分裂病や老年精神病などがあり,意識水準低下時に幻覚を生じる疾患としては
アルコール依存症(
振戦せん妄),症状精神病などがある。意識清明時に生じる幻覚は聴覚性のものであることが多く,意識水準低下時の幻覚は視覚性,聴覚性などいろいろであるが視覚性のものであることが多い。幻覚が生じる
神経生理学的な基盤としては種々のレベルでの機能系間の乖離が推測されている。
→意識障害 →振戦せん妄 →幻覚剤
◆丹羽真一









心理学辞典 ページ 584 での【幻覚 】単語。