ゲシュタルト 【ゲシュタルト】🔗⭐🔉振
ゲシュタルト 【ゲシュタルト】
Gestalt[G]; gestalt[E,F]
ゲシュタルト心理学が冠するゲシュタルトという用語はドイツ語を原語とするが,日本語,英語,フランス語,イタリア語等にはこれにあたる適切な訳語がない。日本語では「形態」,英語ではformと訳されたこともあったが,いずれも原意を適切に表すものではなく,それゆえの誤解も招いてきた。今日ではそのままにゲシュタルトとされる。その意味するところは,「体制化された構造」(organized structure),「要素に還元できない,一つの全体がもつ構造特性」であり,「集合体」(aggregate)やたんなる「総和」(summation)とは区別されるべきものである。またそれは,
体制化の結果を記述するのに用いられるだけではなく,過程そのものの構造的な特性をも示している。
ウェルトハイマー(Wertheimer, M.1925)は,「一つの全体においては,それに特有の相互関連(とその現れ)というものが存在し,それは個々の部分(要素)の振る舞い方や,その集合から決定されるのではない。全体のなかのある部分がどのように現れるかは,全体がもつ性質(内的構造法則)によって決定される」という意味のことを述べている。
→ゲシュタルト心理学
→vid.文献
◆上村保子



心理学辞典 ページ 567 での【ゲシュタルト】単語。